TRAPPIST-1 fの低い密度は何を意味するのか?
TRAPPIST-1 fの質量は地球の約1.04倍、半径は約1.045倍だ。この二つから求めた平均密度は約5.02g/cm³で、地球より約9%低い。内部に水が多ければ密度はこれほど低くなりうるが、この数値だけで海があるとは結論できない。鉄の少ない岩石惑星や、鉄が酸素と結びついてマントルに広がった惑星も、同じ質量と大きさになりうるからだ。
- 約9.21日 恒星を1周する時間
- 地球の約1.045倍 隠された恒星光の量から求めた半径
- 地球の約1.04倍 通過時刻の変化から求めた質量
- 約5.02g/cm³ 質量と大きさから求めた平均密度
TRAPPIST-1 fの大きさと質量はどう測るのか?
fが恒星の前を通ると、恒星光は約0.65%減る。惑星が大きいほど多くの光を隠すため、この減少量から恒星と惑星の大きさの比が分かる。そこに恒星の実際の大きさを当てはめ、fの半径を計算する。
質量は近くの惑星の重力を使って求める。七つの惑星は互いに引き合い、恒星の前を通る時刻が予想より少し早くなったり遅くなったりする。2021年、研究チームはSpitzerが4年間に集めたデータと、地上望遠鏡・Hubble・K2のデータを合わせ、447回の通過時刻を調べた。とくに外側の五つの惑星で約490日周期の大きな時刻変化が現れたため、fの質量を約3%の誤差で求められた。
平均密度は質量を体積で割った値だ。惑星の体積は半径の3乗に比例するため、半径の小さな誤差も密度にはより大きく影響する。また、平均密度は惑星全体を一つの数値で表すだけで、核・マントル・水の層がどこで分かれるかは示さない。
同じ密度を作る内部構造には何があるのか?
第一の可能性は、水がほとんどなく鉄の少ない岩石惑星だ。TRAPPIST-1の七惑星が似た物質からできたと仮定するモデルでは、鉄が全質量の約21%なら観測された密度を説明できる。地球の鉄の割合である約32%より低いため、厚い水の層がなくても平均密度は低くなる。
第二の可能性は、鉄が金属核に集まらず、酸素と結びついてマントルに混ざった惑星だ。同じ元素でできていても、内部での並び方が違えば体積は大きくなりうる。第三は、地球に似た岩石と鉄の上に、水や氷の軽い層がある惑星だ。水の層が非常に深ければ、下部の水は高い圧力で、地球の海にはない固い氷になることもある。
平均密度だけでは、内部にどれほど水があるかを決められない。鉄の核の大きさをどう仮定するかで、計算される水の量も変わる。
TRAPPIST-1 fの水の割合はどう推定したのか?
2025年、研究チームは観測された質量と半径を複数の内部構造モデルに入れ、水の量を計算した。マントルと核の割合を地球に近く固定すると、水は全質量の6.9±2.0%になった。核の大きさをより自由に変える計算では16.2±9.9%になった。答えが大きく違うのは、望遠鏡で水を直接測ったのではなく、それぞれ異なる内部構造を仮定したためだ。
この計算には、岩石や鉄が圧力でどれほど縮むか、各層の温度や核の大きさはいくらかなど、直接測れていない値が入る。水の総量を推定できても、それが地表の液体か、氷か、大気中の水蒸気かは質量と半径だけでは分からない。低い密度は水の多い惑星の可能性を残すが、水だけが唯一の説明ではない。
大気が分かると、水について何がさらに分かるのか?
Hubbleの観測により、fが海王星のように大きく膨らんだ水素の多い大気を持つ可能性は低くなった。しかし、窒素・二酸化炭素・水蒸気などの重い気体からなる薄い大気があるかは分かっていない。大気圧と温室効果が不明なため、fが地球の約37%の恒星光しか受けなくても、地表温度を正確には計算できない。
NASAが2026年1月にまとめた情報では、ウェッブはfを観測済みだが、大気の分析はまだ進行中だ。まず恒星の黒点や爆発が作る変化を見分け、その後、二酸化炭素などの分子の痕跡が複数の観測で繰り返すかを確かめる必要がある。大気の圧力と成分が分かれば、水が液体・氷・水蒸気のどの状態で存在しうるかも、より正確に計算できる。
- 恒星光の減少量 惑星と恒星の大きさの比から半径を求める。
- 通過時刻の変化 七つの惑星が互いに引き合う強さから質量を求める。
- 平均密度 質量を体積で割り、内部にありうる物質を絞る。
- 大気の観測 圧力と成分を調べ、水が存在できる状態を計算する。
ハビタブルゾーンにあれば、fには水があるのか?
fはハビタブルゾーンにある。大気の条件が適切なら、地表に液体の水が存在しうる量の恒星光を受けるという意味だ。大気がほとんどなければ、地表は低温で、昼と夜の温度差が大きいかもしれない。反対に、温室効果の強い厚い大気があれば、同じ恒星光でも地表はずっと暖かくなりうる。
したがって、fを海のある惑星と呼ぶには低い密度だけでは足りない。大気が実際にあるか、その圧力と成分、水分子の痕跡、地表温度の範囲を一緒に確かめる必要がある。現在確実に分かっているのは質量・半径・軌道であり、海・氷の層・大気はまだ確認されていない。
このページの海と氷は観測写真ではなく、理解を助ける図だ。水6.9%と16.2%も、特定の内部構造を仮定した計算値であり、実際の水や海が見つかったという意味ではない。