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惑星

火星

現在の火星は寒く乾燥していますが、探査機やローバーが発見した谷、堆積層、粘土鉱物は、かつてそこに川や湖があったことを示しています。巨大なオリンポス山と太陽系最大の峡谷マリネリス峡谷は、火星の大地が長い年月をかけて大きく変化してきたことを示しています。現在の探査では、火星の水がどのように失われたのか、微生物が暮らせる環境がいつ存在したのかを調べています。

代表色
#C65D3B
ビジュアル素材: Solar System Scope textures, based on NASA imagery and elevation data.CC BY 4.0

火星にかつて川や湖があったと、どうして分かるのだろう?

現在の火星は寒く乾いた砂漠だが、はるか昔には多くの地域に川や湖があった。水が削った谷、川が堆積物を運んでつくった三角州、水との反応でできた鉱物が、どれも同じ過去を指し示している。科学者はこれらの証拠を組み合わせ、失われた水の歴史をたどっている。

ただし、火星全体が長い間、暖かい海に覆われていたという意味ではない。水が流れた時期や長さは地域によって違った可能性があり、寒い環境で氷が何度も解けたという説明も研究されている。確かなのは、火星の表面が初めから今のように乾いていたわけではないということだ。

  • 約3,390 km 地球のおよそ半分にあたる火星の半径
  • 24時間37分 地球の1日に近い火星の1日
  • 687日 火星が太陽を1周するのにかかる地球の日数
  • 2つの衛星 フォボスとダイモスという小さくいびつな月

火星の赤い色はどこから来たのだろう?

火星の岩石や土には、鉄を含む鉱物が多い。その鉱物が地球で鉄がさびるのと似た形で酸化し、細かなちりになって広い範囲を覆った。風がそのちりを大気中に舞い上げるため、遠くから見ると惑星全体が赤く見える。

近くで見ると、表面は一色の赤ではない。褐色や金色の土、黒い岩、明るい鉱物も見られる。「赤い惑星」という呼び名は地面がどこも同じ色という意味ではなく、酸化した鉄のちりが遠くから見た代表的な色をつくるという意味だ。

ジェゼロの乾いた三角州は何を教えてくれる?

探査車パーサヴィアランスが調べているジェゼロ・クレーターには、扇のように広がる三角州が残っている。35億年以上前、川がクレーターの壁の切れ目から流れ込み、湖をつくって砂や泥を堆積させた。軌道上からの観測では、三角州の堆積物に水で変化した粘土鉱物や炭酸塩鉱物も確認されている。

三角州は、川が湖に入って流れが遅くなり、運んできた物質を落とすことでできる。パーサヴィアランスが撮影した地層には、比較的穏やかな湖だけでなく、後に大きな岩を動かすほど激しい洪水が起きた痕跡もある。ジェゼロの水の歴史は、湖が一度満たされて静かに干上がっただけの単純な物語ではなかった。

  1. 川が道を刻んだ 流れる水がクレーター壁の通り道を抜け、砂や泥を運んだ。
  2. 湖と三角州ができた 水の流れが遅くなり、運ばれてきた物質が層をつくって積もった。
  3. 激しい洪水が通り過ぎた 後に起きた強い流れが、大きな岩まで三角州へ運んだ。
  4. 湖が干上がった 気候が変わると水は消えたが、地形と岩石の層は残った。
  5. 探査車が記録を読み解く カメラと分析装置で岩石を調べ、一部の試料を密封した。
川の形をした谷、扇形の三角州、水で変化した鉱物が同じ場所でつながると、太古の湖の歴史が見えてくる。

水と厚い大気はどこへ行ったのだろう?

現在の火星の大気は地球よりはるかに薄く、液体の水が表面に長くとどまることは難しい。しかし、水が完全になくなったわけではない。極域や地表近くの地下には氷があり、一部の水は岩石をつくる鉱物の中に取り込まれている。

2021年に発表された火星の水循環モデルは、初期の水の約30~99%が地殻の鉱物に閉じ込められた可能性を示した。幅がとても広いことは、正確な量がまだ分かっていないことを表している。火星の水の一部は宇宙へ逃げたが、すべてが同じ道筋で失われたわけではない。

大気の多くは宇宙へ逃げた。MAVEN探査機は2014年から2025年まで、太陽の紫外線と太陽風が火星の上層大気から粒子をはぎ取る過程を観測した。アルゴン原子の比率を使った分析では、火星の大気にあったアルゴンの約65%が宇宙へ失われたと推定された。この結果は、太陽の影響が長い時間をかけて大気を薄くするうえで大きな役割を果たしたことを示している。

「潜在的な生命指標」は生命の発見なのだろうか?

そうではない。パーサヴィアランスが2024年に「Cheyava Falls」と呼ばれる岩から採取した試料には、有機炭素を含む泥岩と、鉄や硫黄を含む鉱物が集まった小さな斑点がある。2025年のNature論文は、この組み合わせを生命活動と一致する可能性がある潜在的な生命指標に分類した。

潜在的な生命指標は、生命が確認されたという意味ではない。 生物がつくった可能性と、生命を伴わない化学反応でできた可能性の両方を調べる必要があるという意味だ。有機物も、それだけでは生命の証拠にならない。

研究チームは生物が関わらない複数の反応も検討したが、現在の探査車の装置だけではどの説明が正しいか判断できなかった。パーサヴィアランスはこの岩の試料を密封して保管している。鉱物、有機物、斑点がどのようにできたのかを確かめるには、より高感度な装置による分析と追加研究が必要だ。

赤い砂漠には、いくつもの種類の証拠が残っている

火星の赤いちりは現在の乾いた環境を示す一方、その下にある谷や三角州、鉱物は水があった過去を記録している。ジェゼロでは、穏やかな湖と激しい洪水が異なる岩石の層を残し、大気も水も一つの過程だけで失われたわけではなかった。

だから火星の歴史は、1枚の写真や一つの特別な鉱物だけでは決められない。地形の形、岩石層の順序、鉱物の成分、大気中の原子の比率が互いに合うとき、惑星がどう変わったのかがよりはっきりする。火星は乾いた砂漠であると同時に、太古の環境変化の記録を残す惑星でもある。

出典

測定値

物理的特性

直径
≈ 6,779 km算出値
平均半径
≈ 3,389.5 km測定値
質量
≈ 6.417E23 kg測定値
平均密度
≈ 3,934 kg/m³測定値
表面重力
≈ 3.71 m/s²測定値
脱出速度
≈ 5 km/s測定値
恒星自転周期
≈ 24.623 h測定値
公転周期
≈ 686.98 d測定値
平均温度
≈ 210 K (-63.1°C)測定値
表面圧力
≈ 636 Pa測定値
軌道長半径
≈ 227,943,822.4 kmモデル推定値
軌道離心率
≈ 0.093 ratio測定値
自転軸の傾き
≈ 25.19 deg測定値
直感的な比較

数字で体感する

地球の体積に換算 · 計算値
0.15
平均半径を球と仮定した学習用の計算です。
70 kgの人が受ける重力 · 計算値
地球の約0.38倍
地球で70 kgの人は、この天体の基準面では約26.48 kg相当に感じます。
太陽から火星まで光が届く時間 · 計算値
12.67 min
2つの天体の実際の距離は、それぞれが軌道上を動くにつれて変わります。この時間は、太陽から火星までの平均距離を使って計算しています。
物質

組成

大気

  • 二酸化炭素
    95.32%
    表示の基準
    体積基準
    根拠のレベル
    測定値
  • 窒素
    2.7%
    表示の基準
    体積基準
    根拠のレベル
    測定値
関連性

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