Kepler-90 hは地球とどれほど違うのか?
ケプラー90 hは中心の恒星から約0.97AU離れており、331.603日ごとに1周する。資料には計算された温度約294K、摂氏約21度も記されている。地球の軌道や馴染みのある気温を思い起こさせるが、実際の天気を測定した値ではない。hは地球の約1.8倍のエネルギーを恒星から受ける木星サイズのガス惑星である。半径は地球の約11.25倍、質量は203±16倍であり、大気成分や実際の温度は確認されていない。
- 331.603日 hが恒星の周りを1周するのにかかる時間
- 約0.97AU 恒星とhの間の平均距離
- 地球の約1.8倍 hが受けると計算された恒星のエネルギー
- 地球の203±16倍 通過時刻と視線速度を合わせて分析した質量
星との距離だけで気候は分かるのか?
1AUは地球と太陽の平均距離である約1億5千万kmを意味する。どの恒星の周りでもこの距離にあれば液体の水や温暖な気候が存在するという意味ではない。惑星が受けるエネルギーは距離だけでなく、中心星の明るさにも依存する。ケプラー90は太陽より少し大きく明るいため、hは地球と似た距離にあっても、地球が太陽から受ける量の約1.7~1.85倍のエネルギーを受ける。
331.603日という公転周期も地球の365.26日と同じ環境を意味するわけではない。公転時間は距離と中心星の質量で決まる。ケプラー90は太陽より重いため、同じ距離の惑星をより速く回らせる。距離や周期は軌道を説明するが、雲、風、気圧、大気の温室効果までは教えてくれない。
0.97AUは星とhの間の距離であり、331.603日が公転周期である。これらの値だけでhの実際の温度や大気状態を知ることはできない。
計算上の温度はどのような仮定で変わるのか?
平衡温度は、惑星が恒星から受け取るエネルギーと宇宙に放出する熱が等しいと考えて計算した値である。Kepler のデータで使われた代表的な計算では、入ってきた光の30%を惑星が反射し、吸収した熱が明るい側と暗い側に均等に広がると仮定している。h の 292〜294K はこの条件で計算した値であり、大気や表面で直接測った温度ではない。
294K を摂氏に換算すると約21度である。しかし、h がどれくらい星光を反射するか、明るい側の熱が暗い側にどれだけ移動するかは測定されていない。雲や温室効果、惑星内部から出る熱も実際の温度を変えることがある。地球も大気の温室効果のため、大気がないと仮定した計算温度より地表平均が30度以上暖かい。したがって、計算値が馴染みのある気温と同じだからといって、h の気候を地球と似ているとみなすことはできない。
Kepler-90 hに固い表面はあるのか?
通過で遮られた星光から求めた h の半径は地球の約11.25倍で、木星にほぼ等しい。2025年の共同分析による質量 203±16 地球質量は木星の質量の約64%である。両方の値を球の平均で組み合わせると、密度は約0.79 g/cm³ と計算される。これは木星より低く、土星に近い気体惑星の密度である。
ガス惑星の半径は、星の光がもはや簡単に通過できなくなる大気の高さを基準に決める。その下に行くほどガスは次第に濃くなり、圧力と温度も高くなるが、地球の海や大陸のような明確な固体の境界は現れない。したがって、hに「摂氏21度の表面」があると言うことは観測結果にも合わず、ガス惑星の構造にも合わない。
Kepler-90 hの質量はどう測定されたのか?
ケプラー主ミッションは、公転周期が長いhのトランジットを3回記録した。トランジットの深さは大きさを示すが、質量を直接示すわけではない。質量の手がかりは、内側にあるgとhが互いに引き合うことで、トランジットの時刻を前後に変化させるところにあった。hがgよりもはるかに重いため、gのトランジット時刻に大きな変化をもたらすが、観測回数が少なければ質量と軌道形状をさまざまな方法で説明することができる。
2020年の研究では、ケプラーが観測した通過時刻の変化に基づき、hの質量を地球の約203倍と計算した。2025年の研究では、2011〜2022年に34回測定した中心星の動きと追加の通過時刻、2024年に地上で観測したgの通過までを合わせて分析した。この計算でもhの質量は地球の203±16倍となった。異なるデータを合算しても約203倍という結果が再び得られたことが重要である。2020年の誤差±5と2025年の±16は使用したデータや計算方法が異なるため、数字だけを見てどちらの研究がより正確かを比較することはできない。
- 2009〜2013年 ケプラーがhの通過3回と、隣のgの通過時刻の変化を記録する。
- 2020年 gとhの通過時刻の変化だけを分析した研究がhの質量を地球の約203倍と推定する。
- 2011〜2022年 HIRES分光器が二つの外側の惑星の重力によって中心星が動く速度を34回測定する。
- 2024〜2025年 新しい通過データと追加の時間・視線速度を共同で分析して、hの質量を203±16地球質量として再び求める。
Kepler-90 hの実際の気候を知るには何を観測すべきか?
現在、hで比較的正確にわかっているのは、軌道周期と通過で求めた半径、複数のデータを一緒に分析した質量、星光から計算したエネルギー量である。大気にどの分子があるか、雲の高さ、星光をどれだけ反射するか、明るい側の熱が暗い側にどれくらい移動するかは測定されていない。hの周りを回る衛星も発見されていないので、温暖な環境の衛星が存在する可能性を観測事実のように言ってはならない。
hは約332日に一度しか星の前を通過しないため、大気を観測する機会は少ない。隣のgの重力のため、通過時刻も常に変わる可能性があるので、次の通過を正確に予測する必要がある。今後、複数の種類の光でhの大気がどの光を吸収するかを測定して、成分と温度を明らかにする必要がある。その前までは、294Kは観測を準備するときに使用する計算値に過ぎず、hが地球のように温暖である証拠ではない。
このページの惑星の色と雲は観測写真ではない。Kepler-90 hは星から分離された円盤として撮影されておらず、現在の姿は半径・質量・受ける光をもとに作成した可視化である。
出典
- NASA Exoplanet Archive — KOI-351 h Parameters and Multiple Solutions
- NASA Exoplanet Archive — Equilibrium Temperature and Insolation Definitions
- NASA Kepler — Q1–Q17 Transit Signal and Equilibrium-Temperature Assumptions
- The Astronomical Journal — Updated g and h Masses from Transit Timing and Radial Velocities
- The Astrophysical Journal — Giant Transit-Timing Variations of Kepler-90 g and h
- The Astrophysical Journal — Discovery and Analysis of the KIC 11442793 Planetary System
- NASA Science — Gas Giants and the Absence of a Hard Surface
- NASA Earth Observatory — Atmosphere and Surface Temperature